2007年僕はオーストラリアにいた。
よくオーストラリアのどの街ですか、と聞かれるが、
シドニーとケアンズ以外の町をぶらぶら移動していました、
と答えている。 

 

ワーホリでオースにいる英語力の乏しい日本人は、
言葉があまり必要でない野菜や果物を収穫するバイトをする。
僕もそんな土にまみれる仕事をしつつ小金ができたら次の町に旅行しながら移動する
という生活をしていた。 

 

リサイクルショップは英語ではセカンドハンドショップという(略してセカハン)。
オースではいたるところにセカハンがあった。
最初は農作業で汚れてもよい服を買う為にセカハンにいってみたのだが、
そのうちお金がなくて普段着もセカハンで買うようになった。
ワーホリできている旅行者は人種問わずセカハンにお世話になっていたと思うが、
200〜300円の服で自分なりの着こなし楽しんでいた。

 

パース近郊の町に仕事を求めていっていたのだが、
その町manjimapにも小さなセカハンがあった。 
おばさんが一人でやっていて古着の他にも食器やCD、ブローチなど
人によってはガラクタの類いを置いていた。
あまり仕事がなくて暇で他に行くところもないので
よくスーパーの帰りに寄っていた。

 

この写真はそのセカハンで撮ったものだが、
写真撮っていい?と聞くとニコっと笑ってくれた(のだと思う)。
オーストラリアはいろいろな魅力をもった国であるが、
他人の目を気にせず身の丈にあった楽な生活を皆がしていて、
アンティークだからとかそういう価値観ではなく
古い物が使われてたり売られていたりする文化があるのが好きなところだ。
日本ならゴミ集積場に置いてありそうな薄汚れたソファーもオースのセカハンに置かれるとありだなと思う。

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オースを離れて以来再びオースには行っていない。
聞けばいまやメルボルンやシドニーは世界で一番生活費がかかる街になったとのこと。
平和で土地が広く資源も豊富で移民政策も成功しているのだから頷けるが、
牧歌的で人間味溢れる、少し薄汚れたセカハンやバッパー(バックパッカーズ:安宿)は
再び旅行する日まで残っていてほしい。