沖縄は首里にある樹齢三百年の赤木。
「年に一度、神が降りてきて願い事聞きあげられていく。年に一つだけ願い事話されてみて下さい。」
「更にこの場所考える力が授かる所とも云われています。」
とある。
願い事が叶う、のではなく、あくまで聞いてもらえるだけ。
だからこそ自分で考えなさい、というなんともしっかりものの神様。
でも今の自分の状況を考えたら、年に一度でも願い事をゆっくり落ち着いて想う時間、場所はないかもしれない。そのせいかこの神木のまえに立つと妙に気持ちが引き締まる気がした。まるで100歳を越えて長生きした祖母に「何がやりたいの。」と尋ねられたときのように、ほんとのところの気持ちを自分自身に問うている。
現状些細な願望または不満はあるけれど、たぶん満たされているとどこかで感じている。でもなんか焦っている。いまやらないといけないことはもっと考えること、深く広く思考すること。慌ただしい日々にふっと出会った赤木が願いを聞いてくれた。