ワーホリでオーストラリアを選んだのは、
とにかく明るくて楽しそうなところという印象があったからだ。
それまでの自分はなんというか、
つげ義晴とかカムイ伝とかゆらゆら帝国とかインドとか
ネクラで少しアングラなムードが漂う世界に興味があり、
それを理解しているのがいけてると思っていた 苦汗。
でもこの時はもうそういうのはどーでもいいから、
とにかく汗かいて笑っていられる国に行きたかった。
メルボルンでの3ヶ月の生活はあまり面白くなかった。
通っていた語学学校のクラスは英語の喋れない者ばかりでまるで動物園のようだったし
(もちろん自分もその一人です、そして入学2ヶ月でその学校は潰れてしまった 笑)、
メルボルン自体が大きな街で旅情を感じることができなかった。
けれども日本から遠く離れた場所で何ものにも縛られず、
気の向くままに行きたいところに行ってしたいことだけをする生活は、
未来への根拠のない自信と楽観的な観測のもとまさに自由だった。
今後もう二度とない贅沢な時間を過ごしていると思った。
風が吹くとその風力でどこまでも行けそうな気がした。
カメラをぶら下げて街をうろうろするだけで日々は充実していった。